下林町 長寿会講演会まとめ 「健康に長寿を全うする為に」

こんにちは、ナチュクリスタッフです!

中島先生による長寿会講演会の内容をみなさんにご紹介いたします!

とてもわかりやすく興味深い内容です。是非、読んでくださいね!

 

下林町 長寿会講演会まとめ 「健康に長寿を全うする為に」
 
平成21年3月12日 於下林町公民館 ナチュラルクリニック21 医師 中島鉄夫 
 
健康に長寿を全うする為にはまず、日本人の三大死因の癌、脳卒中、心臓病を避ける努力が必要です。
癌:様々な臓器に発生しますが、その原因となると、発癌物質、癌遺伝子、発癌ウイルス、物理的刺激など様々でこれは中々避けがたい事から、やはり早期発見、早期治療が望ましいでしょう。癌は末期になると、激しい痛みや、体力の憔悴などに見舞われますが、早期には何も症状が無いことが多く、やはり自覚症状が無くても検査をして発見しなければなりません。癌の発生する各臓器別に発見する為の検査を挙げてみます。頭の上のほうから行きますと:
 
① 脳:
脳腫瘍は極めて稀で初めは無症状。この段階で発見するにはMRI以外に有りません。CTでは中々早期に発見は困難ですので、ご心配でしたら脳ドックなどを受けられると宜しいでしょうが自費で7万円前後掛かりますので、ちょっと経済的に負担が大きい。でも健康な方にドックを施行するとこれくらい掛かりますが「ちょっと頭が痛いので脳腫瘍が心配だ。」と訴えて総合病院の脳神経外科に受診すれば、「脳腫瘍疑い」との病名で保険診療が可能になります。これですと高齢者の方は一割負担ですから7000円前後の医療費となり、さほどの負担ではないでしょう。
 
②口の中の癌:
虫歯を治療しないで放置するとそれにより慢性的な刺激を受ける部分の歯肉や舌に癌ができることが有ります。この場合も痛くないですから、口の中に治り難い潰瘍やできものが出来たら早めに歯科受診してください。
 
③甲状腺:
これは大きくなると外から指で触れることが出来ますが、早期に発見しようと思うと首の超音波検査が手軽で、痛みも無く、外来で施行できます。ついでに首の動脈の動脈硬化も見てもらえるという付録もついてきます。費用は5300円程度。一割負担で530円です。
 
④食道癌:
これは胃癌に比べると稀な癌ですが、食べ物が食道を通り難いまで大きくなってしまうと既に進行癌で手遅れな事が殆どです。早期発見には胃カメラ検査が必須です。アルコールや熱い物がお好きな方は受けて置かれた方が宜しいを思われます。
 
⑤胃癌:
日本人にまだまだ多い癌です。日本人が好きな食塩含量が多い食品が影響しているといわれても居ますが、胃カメラ検査、胃のレントゲンで見つけてもらう必要があります。胃カメラ検査は中々辛い検査ですので、レントゲンと、胃カメラと、交互に受けられることをお勧めいたします。老人の方は癌の進行自体が遅いといわれていますから二年に一回位検査を受けられてはどうでしょうか?
 
⑥肺癌:
これは毎年胸のレントゲン検査を受けていても早期に発見することは困難です。例えば高山市で毎年一万人強の方の胸のレントゲンを撮影して、肺癌の発見に努めているのですが、その結果治癒可能な早期の肺癌が発見されるのはわずか一名程度で、その影に20~30名の方々が手遅れの肺癌で死亡されているのです。
これらの肺癌を早期に発見する方法はCTです。CTを使えば直径1cm、時には5mmくらいの小さな早期肺癌を発見することが出来ます。ただし、レントゲンの被爆も多いので、{一日吸うタバコの本数}掛ける{タバコを今までに吸った年数}が600を越す人が肺癌の発生率が高いといわれており、心当たりのある方はCTを受けられることをお勧めいたします。これも実費で12000円程度ですから、一割負担ですと1200円で手が届かない費用ではないと思います。ただし、今までタバコを吸ってこられて、未だに肺癌をわずらっていないお年寄りに私は肺癌の元だから、タバコを止めなさいとは言いません。今まで肺癌が出来てこなかったのだから、いまさらお好きなタバコを止めるよりはCTで今から出来てくるかもしれない肺癌を早期発見することをお勧めいたします。(若い人は別ですが)
 
⑦肝臓癌
 これはほとんどがB型、C型のウイルス性の慢性肝炎を持っている人に出来てきます。これらのウイルスを持っていない人に出来ないわけではないですが非常に稀です。この検査にはやはり超音波検査が、痛みも無く気軽に施行することが出来ます。ただし、朝食を抜いて検査に臨む必要があります。また、B型、C型の慢性肝炎を持っている人は、肝臓癌に掛かる可能性が高いわけですから、超音波検査とCT検査をあわせて年一回は検査してもらう必要があります。
 
⑧胆嚢癌、膵臓癌:
これらも同様にして超音波検査で発見できますが、膵臓は体の一番奥にありますので、超音波検査でも発見しにくく、見つかったときは既に手遅れの場合が多いのは残念です。(交通事故に遭ったとあきらめていただくしかないでしょう)
ただし、胆嚢癌は超音波で極めて効率よく発見することが出来ますので年一回のおなかの超音波検査は何も症状が無くても受けて置かれて損は有りません。(検査自体の痛みも無いし、値段も比較的安いのです)
 
⑨大腸癌:
これは検便を年二回受けられることをお勧めいたします。検便は便の中に微量に混じってくる血液を検出する検査ですが、昔は動物の血液と人間の血液が区別できないので、検便を提出する前には肉類を食べてはいけない、などの制限がありましたが、現在の検査では人間の血液と、動物の血液を区別できる鋭敏な試訳を用いて検査を施行していますので、肉を食べてはいけない、などの検査の前の制限はありません。水洗トイレで毎日流して捨てているものを極少量持参するだけで癌の早期発見の検査ができるのですから、これほど効率的なものはありません。しかも、大腸癌の多くがポリープという「イボ」から発生すると言われており、この段階ですと、おなかを切って癌を取らなくてもおしりから大腸カメラを入れて、ポリープだけを電気で焼ききるという、負担の少ない手術(内視鏡的手術)で取り去ることが可能です。
 
⑩前立腺癌:
これは今上天皇陛下が血液検査で発見され、手術を受けられて、今でもお元気なことからも分かるように、血液検査で癌の腫瘍マーカーを測定すると結構早期に発見可能です。また、手術が出来なくてもホルモン療法や、放射線療法(放射能を出す、小さな針を前立腺に打ち込んで癌だけを焼き尽くす)などの治療法がありますので、ご心配でしたら、血液検査を年一回程度受けて置いてください。
 
⑪子宮癌、乳がん:
この二つとも、癌検診で早期に発見することが出来、完治可能ですので年一回癌検診を受けられることをお勧めいたします。乳がんは外科受診の上、超音波検査とマンモグラフィーと言うレントゲン検査、子宮癌は婦人科受診の上、細胞を採取して顕微鏡で検査する事で肺癌のように、たとえCTを用いても直径1cm程度に成長しないと見つからない(細胞の数にして一億~三億個)のではなくて、百個、千個ていどの細胞集団になれば発見できますし、更に前がん状態で発見することも可能ですので、大腸ポリープ同様、その局所だけを切除するような手術で助かる場合があります。
 
⑫この他、稀ではありますが皮膚癌が有ります。これは高齢者になると偶に出現しますが、他の部位の癌と異なり、皮膚の表面ですから直接目で見つけられます。段々大きくなるおできや、周辺に滲み出すようなほくろを見つけられたら早めに皮膚科に受診してください。皮膚の癌はその場所で大きくなるだけで、他の臓器に飛び火することは少ないのですが、出血が止まらない、などの困ったことが起きる前に早めに手術で取りきったほうが安心です。ただし、ほくろの癌化した、悪性黒色腫は極めて性質が悪く、他の臓器にも飛び火しますので、これだけはなるべく早めに皮膚科に受診して下さい。
 
 癌についてはこれくらいにして、次は脳卒中です。
脳卒中と言っても三種類に分けられます。
① 脳出血
② くも膜下出血
③ 脳梗塞の三つです。
  
① 脳出血ですが、これはいわずとも知れた脳を栄養する血管が破れて脳の中に出血する病気です。小さい出血ですと、手術せずにそのまま安静にして出血が吸収されるまで様子を見ることもありますが、大きい出血ですと、頭蓋骨という限られた容積の入れ物の中で血液の塊が出来、脳を圧迫しますので、脳が腫れてそのため(まだ死んでいない)脳細胞が傷害される様になりますので、そう言った場合は手術で血の塊(血腫)を除去することもあります。血腫除去により意識状態が劇的に改善されることもあります。通常は頭痛を訴えられることはなく、手足の麻痺やろれつが回らないなどの症状で発症することが多いです。また、危険因子としては高血圧が土台にあることが多いので、血圧は普段から薬でコントロールすることが大切です。
 
② くも膜下出血ですが、これは脳自体の中に出血するのではなくて、脳を包んでいる膜の下に出血するもので、やはり頭蓋骨の中の圧力が増して、脳が圧迫され意識が無くなりそのまま昇天されてしまうことも多い怖い疾患です。特徴は「生れて初めて経験した!」と形容される激烈な頭痛です。地面にくいを打ち込む木槌で頭をが~んとぶん殴られた、と形容する人も居られ、一生に一度の痛みなので何月何日の何時何分に起こった、と正確な日時を記憶している位だ、と言われます。これは発症した時点でその後どうなるかが決まってしまっている、とも言われますが、意識障害に気づいたら一刻も早く救急車で総合病院に受診することが肝要です。早期に手術すると、脳出血や脳梗塞のような手足の麻痺などの後遺症を全く残さず完治することもあります。
その原因としては、脳を栄養する動脈のこぶ(脳動脈瘤)の破裂です。これは事前にはMRI検査で発見することが出来ます。脳ドックを希望されれば発見することが出来ますが、7~8万円の実費が掛かります。ただし、血圧も高めだし、頭も時々痛むので、脳動脈瘤が心配なので、検査をして欲しい、と訴えて総合病院の脳神経外科を受診されれば、健康保険扱いでこの十分の一の支払いでMRI検査を受けることが出来ます。
 実はこれに関する私の体験ですが、頭痛の訴えで受診されたのでCT検査だけ行い、異常が無いからと毎月頭痛の薬を処方していた中年女性の方が居られました。あるとき新聞のすみっこの「おくやみ欄」にその女性の名前を発見して仰天した私は偶々、その女性の友人が病院の事務に居られると聞いて、早速事情を伺いに尋ねました。すると、なんでも勤務先で激しい頭痛と吐き気に襲われた彼女はトイレに走り込んだ。だが中々出てこないのをいぶかしんだ同僚がトイレを覗いてみたら、意識不明で倒れていた。救急車で総合病院に搬入したが、帰らぬ人となった。死因はくも膜下出血であった!!! この時私は如何に慙愧の念にさいなまれたことか。その当時もうMRIが勤務先の病院で稼動していたのに、MRIを行わず、漫然と頭痛薬だけ処方しつづけたのは私の怠慢であると!!!MRIさえ施行しておけば、あの女性はまだ生きていたかも知れない。というわけでご心配な方はぜひMRI検査を!!!
 
③ 脳梗塞。これは脳を栄養する動脈が動脈硬化、即ち、血管の老化現象で硬くなり、かつ狭くなり、挙句の果てには詰まって脳に栄養が供給できなくなってその血管で養われている脳細胞が死滅する、という疾患で脳出血やくも膜下出血より後遺症が深刻な場合が多いのです。ただし、脳の血管が細くなり詰まるだけではなく、細くなったところに血液の塊が詰まって脳梗塞に発展することが多いので、発症後三時間以内に血液の塊を溶かす薬を静脈注射すると、劇的に症状が改善する場合があります。ただし、三時間を過ぎて、脳の細胞が死滅してしまった後に血液の塊を溶かしても死滅した脳細胞の間に出血が広がるだけで却って症状が悪くなることがありますから、とにかく手足の動きが悪くなったり、ろれつが回らないなどの症状が出たら、明日まで様子を見様などと悠長なことを言わず、即刻救急車を呼んで総合病院の救急室に駆け込むことです。某総合病院ではこのような事態に対しては24時間体制で即刻緊急MRIを施行し、その結果を踏まえて脳の血管撮影を行い血液の塊を溶かす治療を行うとの事です。
 
次は心臓病ですが、これは狭心症と、それが更に悪化して心臓の筋肉が死滅する心筋梗塞で、ともに全身に血液を送る血液のポンプの故障ですから深刻です。これも脳梗塞同様に血管の老化現象の動脈硬化が原因ですので、予防には高血圧や高すぎるコレステロールを下げる治療が大切です。治療には皆さん良くご存知の、心臓カテーテル検査、風船療法、ステント療法(細くなった動脈を風船で広げ、さらに金属の網で作った補強材で補強する)があります。(飛騨では高山日赤のみで可能)
 
これで三大死因については終わります。
 
次に女性は更年期以降必発とも言われる骨粗しょう症についてお話します。
体を支える骨は常に新陳代謝、つまり古くなった骨を溶かして新しい骨を作ることが繰り返されていますが、骨を溶かす細胞つまり「破骨細胞」の働きが骨を作る細胞「骨芽細胞」の働きより盛んになってしまうのが骨粗しょう症の原因です。
 これは更年期以降女性ホルモンの分泌が急激に落ちることが原因ですが、大きく二種類の治療薬があります。
 ひとつは「破骨細胞」の働きを抑えてしまう薬。これは強力ですが、本来の骨の新陳代謝を抑えてしまう点が気になりますので50過ぎのまだ若い女性に飲ませるのはためらわれます。(高齢の方にはこちらの薬の方が早く効きますのでおすすめですが)
 そこで、もうひとつの薬はより生理的です。それは女性ホルモンの骨を守る働きに注目して、女性ホルモン類似の構造をもつ薬が開発されたのです。さらに、この薬は細胞の表面にある女性ホルモンが働きかけるスイッチに結合して骨以外の女性ホルモンの働きを抑えるので、ホルモンに依存する癌である、乳がんの発生を抑制するという好ましい「副」作用があるのです。50台の女性でしたら、乳がんに掛かる可能性を下げ、なおかつ骨を丈夫にしてくれる薬、といわれれば薬を飲み続ける立派な動機付けになろう物です。何十年も先の自分の骨を丈夫にする為、今のところは痛くも痒くもなくても薬を飲まなければならない、とは誰しも中々思いがたいものですが、「癌の予防」の一言が加わると薬を飲もうという気にもなるものでしょう。 
 骨粗しょう症はそれ自体が痛みを伴ったり、死にいたる病ではありませんが腰が曲がり、身長が10cm以上縮み。まっすぐに立てない、若いときには軽々と手の届いた戸棚にも手が届かない、洗濯物が干しづらい、など生活上何かと不便なものです。ただ、女性ホルモンがもともと少ない男性で問題になるとはあまり耳にしません。
 
次は身体がなんともないのに、脳の働きが落ちてしまう認知症についてお話します。
認知症は本人の自覚の無いままに周りの人に迷惑を掛けてしまう事が一番の問題点です。また、誰もが成りたくないと思っている、最大の病かもしれません。
 認知症の原因はやはり脳細胞が年とともに減少していくためでしょう。但し、脳細胞の数が減少することだけではなくて、脳細胞のネットワークが大切です。ですから日頃からからだや頭を使う事、つまり社会的な役割、個人的な趣味、生きがいを持ち続ける事が、このネットワークを衰えさせない秘訣であろうと思われます。
 また、アルツハイマー型の認知症には進行を遅らせる、「アリセプト」と言う薬がありますが、この薬もネットワークを賦活化する事で働くようです。
 
 酒タバコについて。
私は酒は百薬の長であるとの言葉を体験的に信じていますので、酒を減らして健康的になりましょうなどとは口が裂けても決して言いません。自分が控えられない事を人に勧めるなどと不謹慎なことができようものですか!!!
 でもお酒は量を過ぎると血圧を上げます。一説によると一週間の純アルコールの摂取量が500mlを超えると血圧が上がりだすと、とある医学雑誌に書いて有りました。これも体験的な話ですが、私自身、血圧の薬を最近飲み始めたのですが、昨年少々メタボになりすぎたのを自覚した私は、一念発起して一ヶ月限定の休酒を実行いたしました。すると体重が7kg減ってメタボから脱却できたのですが、休酒を実行しだして五日もすると血圧が薬も飲まないのに正常化してしまいました。でも、休酒は可能ですが、辞酒は不可能であると自覚している私は、現在では酒と薬を両方飲んでおります。
 
肺癌の項でも触れましたが、タバコは発癌物質の塊である、と社会的にも喧伝され、タバコが自由に吸える場所がどんどん減少しているのが現状です。でも、私には現在まで長生きして来られた皆さん方に、「タバコを止めよ!」とはとても言う勇気がありません。発癌物質の執拗な攻撃に耐えて、癌を作らずここまで生きてこられたのですから。この段階でタバコを止めてしまわれては、せっかく持ちこたえてこられた身体の細胞さんに申し訳ないでは有りませんか。他の人に発癌物質を振りまかない場所で、自分の丈夫な細胞さんたちに感謝して嗜まれることをお勧めいたします。(余談ですが、昔、日本最高齢者であられた、<泉 重千代さん>は確か、タバコも酒もたしなんでおられたと、私は記憶しております。享年116歳でしたでしょうか?)
 
以上、とりとめも無いお話で、果たして、皆様の不老長寿に役立つお話になれたかどうか?申し訳ありません。

 

 

 

Filed under: その他 — staff 9:59 AM
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