治療の現場から
痒みによる不眠で体重減 体力の限界から改善した最重症アトピー 症例:4
2013.05.07治療の現場から
40代 女性 入院期間2013年2月~5月
入院までの経緯
アトピー性皮膚炎は幼少児から発症したが、学童期は乾燥肌程度だった。
中学、高校では肘や膝のと体幹部にも軽度の炎症があり、近医に通院。
高校を卒業して就職後からアトピー性皮膚炎が全身性に悪化。ステロイド外用を毎日行うようになった。
23歳でステロイド離脱を試みたが、リウバウンド後に乾燥と角化が強くなり、皮膚がゴワゴワの状態になった。
様々な民間療法を試したが強い痒みは、治まることなく慢性的に生じていた。
33歳、痒みに耐えられなくなりステロイドとプロトピック外用を再開した。
36歳からは漢方も併用していたが次第に効果が薄れ、当院入院3ヶ月前の2012年12月からは炎症が増悪。
滲出液や下肢の浮腫が強くなり、痒みは一層増加した。
痒みで不眠となり食欲低下し体重は41kgから→36kgまで減少した。
ステロイド(ネリゾナ)外用を増量しても効果が得られず皮膚炎の改善はなく、低下した体力も限界となって当院に入院。
【重症アトピーによって体重が減少していた他の症例】
不安障害と最重症アトピーを入院治療 入院期間:2018年2月~6月:症例36
検査データの見方は掲載症例の見方をご覧ください。
入院後の経過
当院の入院治療では、原則としてステロイド・プロトピックは使用しませんが、この患者さんは非ステロイド治療に並行してのバイオ入浴が著効し、入院1ヶ月間でTARCが入院時の約10分の1まで低下(改善)しました。
好酸球も24%から一気に6.0%までに低下しています。
ステロイド抵抗性の最重症アトピー性皮膚炎も、約3ヶ月間で一気に改善。
退院時には外用薬は不必要となり、内服もビタミン剤程度で退院となりました。
炎症と色素沈着で赤黒くなっていた肌も、本来の色味に戻ってきています。
【色素沈着など肌の色に変化が生じていた他の症例】
重症アトピーが治まって肌の色も正常に!入院期間:2016年6月~8月:症例29
自覚症が激減 血液検査でも数値が大幅に改善した 入院期間:2019年5月~8月:症例45