治療の現場から

       

脱ステで精神性脱毛とカポジ併発 重症アトピーが薬不要に!症例:9

2013.08.20治療の現場から

32才 男性 入院期間2013年5月~8月

顔1#9

顔2#9

入院までの経緯

幼少期は小児喘息であったが、特に皮膚症状はなかった。
19歳(2000年頃)から顔や体幹部にアトピー性皮膚炎が生じはじめ、たまにステロイド外用を使用。

2010年に地元(飛騨地方)勤務に戻ったが、軽症ながらアトピーが慢性的に生じるようになり、近医でステロイド外用を行っていた。

2013年2月、職場のストレスや過労に加え、帯状疱疹+単純ヘルペス感染(カポジ水痘様発疹)にも罹り、アトピーも全身性に悪化。

背中1 #9

背中2#9

近医では全身にステロイド・プロトピック外用を処方されていたが、同年4月からコントロール不良となりストレスで頭部の円形脱毛も生じたため、当院を受診した。

脱ステロイド・脱プロトピック治療を開始すると同時に、外来にてバイオ入浴を行ったが改善は見られず、5月末から当院に入院。※現在は、外来患者さんへのバイオ入浴に関する指導・情報提供は実施していません。

検査データの見方は掲載症例の見方をご覧ください。

検査結果表#9

入院後の経過

入院後は、脱ステロイド・脱プロトピックのリバウンドで炎症は非常に悪化し、37度台の発熱が入院後1か月持続したうえ、カポジ水痘様発疹も2回発症。39度台の発熱も3日生じました。

前腕1 #9

前腕2#9

しかし、入院でのバイオ入浴開始から1ヶ月を経過すると炎症は急速に改善し、1ヶ月でTARCは12分の1に低下。
入院2ヶ月後には65分の1にまで低下しました。

退院時には、TARCは正常値目前の692、自覚症状POEMも4にまで改善し、処方はビタミン剤の内服のみになっていました。

退院後も自宅でバイオ入浴を継続し、退院後の10月の外来診察では一層改善しています。
精神的ストレスが強い場合は、ゆっくりした入院環境で心も体も癒すのが最適です。

【精神的ストレスにも向きあった他の症例】
不安障害と最重症アトピーを入院治療 入院期間:2018年2月~6月:症例36

限定解除要件

 

topへ