治療の現場から
悪寒で震えながら入院した重症性アトピー患者 1ヶ月で劇的改善 入院期間:2019年6月~8月:症例46
2019.11.01治療の現場から
30代女性
入院までの経緯
幼少期にはアトピー症状はなかったが、高校生で関節に軽症のアトピーを発症。ステロイド外用を使用していた。
当院入院の4年前、急に顔に発症しステロイドとプロトピックを2~3年間にわたって使用したが、症状は全身に広がり、中程度のステロイドを塗布しても良好なコントロールを得ることが出来なかった。
入院の1年半前に整体を併用しながら脱ステするが、以後、症状は改善することなく、ステロイドを使用せずアトピー治療が行える医療機関をインターネットで検索し当院を受診、入院となった。
検査データの見方はこちらのページをご覧ください。
入院後の経過
全身に発赤を伴った重症性のアトピー性皮膚炎患者さんです。
入院時は、全体的なカサツキだけでなく、首、体幹、上肢が赤黒くなっていて傷や落屑も生じています。
また、胸元から首にかけては皮膚が非常に薄くなっており、びらんから滲出液も出やすい状態でした。
炎症による発熱や悪寒も生じていて、初夏でしたが震えながら説明を聴いていらっしゃいました。
※体温調節にも狂いが生じていたその他の症例
転職で出張や発汗が増え日常生活が困難なほど重症化 :症例28
悪寒と発熱の状態で入院 症状が改善して積極性も回復:症例44
入院後は、食事療法を含めた治療に加え、1日に4時間程度のバイオ入浴を実践。入院から1ヶ月時点での検査では、改善に時間を要するIgEを除く4項目で数値は劇的に改善。
入院時17596と非常に高値だったTARCは約1/25の715に、同じく高値であった好酸球は正常範囲内の3.9まで低下しています。
その後も時間差のリバウンドなどもなくコントロールは良好で、体調に自信が持てるようになった段階で退院となりました。
退院時の検査では、TARCは553と、入院時の約1/31まで低下しています。
入院時にはメンタル的にも行き詰まりを感じておられましたが、劇的な改善とともに患者間や職員とのコミュニケーションも活発にとるようになり、退院時には笑顔で退院されました。まさに、当院のキャッチコピー「自然な素肌に微笑みがよみがえる」を現実にして退院された症例です。