治療の現場から

       

浴水タイプを切り替えて急激な改善が得られた青年 症例:73

2022.10.12治療の現場から

20代 男性 入院期間2022年5月~9月

バイオ入浴で使用する浴水タイプを変更したことをきっかけに、症状の改善が急激に進んだ患者さんです。


症例写真は記事の後半にも掲載しています。

入院までの経緯

幼少期に発症してからステロイド外用による治療を続けるも、高校生でステロイドを中止し、その後数年間、出口の見えない自宅療養を続けていた。

当院の存在をインターネットで知り入院。約2ヶ月間の入院治療を受け、TARC10625が1020まで改善したものの、退院後1年ほどして再び症状がコントロール不良となり、再入院することとなった。

入院後の経過

再入院時のTARCは、最重症に分類される30000超。
患者さん本人から「ステロイドの内服などを使ってでも、まずはどうしても今の症状を落ち着かせたい。」という強い希望があり、その希望を尊重して、入院直後はステロイド内服を中心とした入院治療を実施しました。
※バイオ入浴は自室の浴室で実践していました。

ステロイド内服の効果によって、入院後10日経過での血液検査でTARCは1336まで低下。症状を落ち着けたいという患者さんの希望が実現し、いよいよこの患者さんの本来の目標である「ステロイド等に頼らずに、なるべく自然な方法でアトピーをコントロールする」という治療に変更しました。

この時期からはステロイドを減量・中止という方向性での治療となりましたが、ステロイド中止後の症状悪化は強烈なものがあり、TARCは5800→22000→38000→56000→78000と右肩上がりに上昇しました。

抗アレルギー剤などの薬剤に対するアレルギー検査も行いましたが陰性。
そこで、バイオ入浴で使用する入浴剤を根本から見直すことにし、最近開発したフリーズドタイプを使用することを提案しました。

検査データの見方は掲載症例の見方をご覧ください。

患者さん自身もこのタイプに切り替えることに前向きで、実際に自室でのバイオ入浴で使用を開始すると効果は明確で、従来からの粉末タイプでは効果がえられなかったTARC78067の最重症タイプのアトピー性皮膚炎が、2ヶ月でTARC2253まで改善。LDLや好酸球も正常化し皮膚も安定して退院できました。

現在、「凍結タイプ」と仮称しているこのタイプは、従来のバイオ粉末から有効微生物やエキス成分のみを選択的に抽出したもので、皮膚免疫を刺激するエッセンスのみを含み、有効成分がそのまま保存出来るよう凍結してあるのが特徴です。

症状の画像からも、リバウンド期の皮膚炎が極めて重症であったことが判るとともに、凍結タイプへの変更後の順調な回復が見て取れます。この患者さんと同様、凍結タイプに好感触を示す方が増えていることもあり、今後は凍結タイプでバイオ入浴に取り組む方も増える可能性が高いと考えています。

浴水タイプの説明はこちらのページをご覧ください。

 

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