治療の現場から
海外移住で子どもたちとバイオ入浴
2020.06.04治療の現場から
当院に入院なさっていた患者さんで、海外に移住して現地でもお子さんと一緒にバイオ入浴に取り組んでいる方がいらっしゃいます。
これまでも海外から一時帰国して入院なさり、自宅でもバイオ入浴を行っているという患者さんはありましたが、今回はご本人にうかがった自宅でのバイオについて工夫した点などを、了解を得てこのブログでご紹介します。
工夫したポイントの解説
ポイント①
海外では、日本のような入浴習慣のない国が多く、バスタブがあったとしても、日本のようにバスタブの外に出て体を洗うのではなく、バスタブの中で洗うのが一般的です。
この患者さんのご自宅もバスタブのみで洗い場がないため、日本から簡易浴槽を持ち込みました。
発送コストの負担はあったものの、退院後もスムーズにバイオ入浴を実践でき、家族との日常生活をリスタートできたとのことです。
ポイント②
シャワールームではスペースが足りないので、簡易浴槽はガレージに設置。窓にはブラインドを、浴槽の周りには棚などを置き目隠しに。
バイオ入浴を毎日、数時間ストレスなく実践するために、リラックスできる空間作りを心がけたそうです。
ポイント③
軽症アトピーがある子どもたち(2人)も入浴させるため、浴槽の横にイスを置いて、親がゆったり見守れる快適空間を作っています。
ポイント④
最も苦労したのは電気関係。
循環装置の電源は100Vですが移住先の国は230Vなので、日本で変圧器を購入して持ち込んでいます。
しかし、この国ではアース一体型の3つ穴コンセントが一般的なので、循環装置からのアース線を変圧器に接続できるよう改造を引き受けてくれる電気屋さんを探して依頼しました。
ポイント⑤
退院後、海外の自宅でバイオ入浴をスムーズにスタートさせるため、入院中からバイオ入浴に必要なものを日本から発送し、簡易浴槽の設置などはご家族が協力して下さいました。
日本であれば、万が一悪化してしまった場合にも、すぐに当院に受診に来ることが可能ですが、海外からですとなかなかそうはいきません。
退院後、飛行機での長時間移動や小さな子どものいる忙しい生活に戻っても、ほぼ悪化することなくスムーズに日常生活を送ることができている最大のポイントは、計画的な事前準備にあったようです。
お子さんたちの変化
バイオ入浴の事前準備やセッティングに苦労はしたものの、現在もバイオ入浴を毎日実践し、アトピーに苦しむことなく普通の日常生活をご家族とともに送ることができているこの患者さん。
2人のお子さんもアトピー症状があるとのことで、久保院長からのアドバイスに沿ってバイオ入浴を行っています
2人ともバイオ入浴をとても気に入っていて、新型コロナでロックダウンとなっていた期間は毎日2時間、スクールの再開後も平日は1時間、土日は2時間入浴して免疫アップ/改善に取り組んでいます。
上のお子さん(小学生)
下のお子さん(幼稚園児)
どちらのお子さんもバイオ入浴開始から3ヶ月で、膝裏の皮膚炎が明らかに改善しています。
2人とも夜中に痒くて起きてしまうこともなくなりました。
【当院の入院治療の内容等】
ゆったりとお風呂につかることが一般的ではない海外では、設備面でもバイオ入浴にはいろいろとハードルはありますが、今後当院では、日本のみならず世界中のアトピー患者さんにバイオ入浴という方法を伝えていきたいと考えています。※アメリカでの治療特許取得もこのためです。