治療の現場から
ステロイドも効果なく大学就学も困難になった重症アトピー患者 入院期間:2015年4月~7月:症例20
2015.07.02治療の現場から
20代男性
入院までの経緯
生後3ヶ月で脂漏性湿疹が生じて以降、外用ステロイドと共にステロイドシロップ等の内服治療も受けていた。
食物アレルギーもあり、併用療法として食事制限専門病院での指導を受けたが、逆に体力が低下し悪化した。
酸性水治療も効果なく、温泉療法も入って一晩で重症化した事もあった。
ステロイド治療を強化しながらどうにか生活していたが、小学校高学年になると次第にステロイド治療で効果がなくなり、大学病院を受診しても効果は得られなかった。
中学1年生になる頃にはステロイド内服でも効果が低下し、ステロイド治療に対して不信感が強くなり、脱ステロイド治療を始めた。
3ヶ月間はリバウンドが生じたが後に改善し、その後はサプリメントを使用しながら高校2年まで軽症の皮膚炎で経過。
しかし、高校2年生でインフルエンザに罹患し、抗ウイルス薬と解熱剤を使用したことをきっかけにアトピー性皮膚炎が一気に増悪し、以前のサプリと自然療法で様子を見たが改善は得られなかった。
漢方治療を開始すると初めの2ヶ月間は改善したが、その後悪化し2年継続の後中止。
どうにか大学には入学したものの、アトピー性皮膚炎が継続したままで就学困難となり実家に戻った。
インターネットで当院を知り入院治療を行った。
検査データの見方はこちらのページをご覧ください。
入院後の経過
顔や首・肩を中心に滲出液を伴った重度のアトピー性皮膚炎が生じている患者さんです。
皮膚炎は腕や脚にも生じており、入院時はかなり痛々しい状態。
しかし、入院後、非ステロイド治療を開始するのと並行してバイオ入浴もスタートすると、症状は次第に改善していきました。
退院時には普通肌に近いレベルまで改善しており、退院後もバイオ入浴を継続しています。
剣道をするスポーツ青年ですが、アトピー性皮膚炎が社会生活のネックになっていました。
【滲出液が強く生じていた他の症例】