治療の現場から
悪寒と発熱の状態で入院 症状が改善して積極性も回復 入院期間:2019年4月~8月:症例44
2019.10.01治療の現場から
60代女性
入院までの経緯
23歳頃から手に湿疹が出来はじめ、その後徐々に悪化して全身症状に拡大した。
ステロイド外用を行ってコントロールしていたが、次第に効果が得られなくなったため、50代前半に脱ステ。
その後、離脱症状の影響で症状が悪化するたびに何度か入院したが症状は継続し、良好なコントロールが得られないまま軽減と悪化を繰り返していた。
当院入院の1ヶ月半前から乾燥や発赤、落屑が全身性に悪化。その後も全身症状は更に悪化したため、以前からインターネットを通じて存在を知っていた当院を受診、一週間の準備期間を置いて入院となった。
入院時には、全身の皮膚症状に加え発熱や悪寒が生じていた。
検査データの見方はこちらのページをご覧ください。
入院後の経過
全身性の角化と肥厚(ひこう)を伴った最重症タイプのアトピー性皮膚炎患者さんです。
TARCも15450と1万台で高値で、長年ステロイド離脱の影響とみられる悪化と軽減を繰り返し、色素沈着なども生じています。
入院当初は病室から浴室までのわずかな移動も辛く、長時間のバイオ入浴も体力的にきついとのことで少し短めの入浴時間でしたが、改善にしたがって入浴時間もしっかりとれるようになり、入院1ヶ月後の検査ではTARCも順調に半減しています。
症状が改善するにつれ、本来のアクティブさを発揮して院内の行事やセミナーにも積極的に参加されていました。
その後も検査結果は着実に改善。肥厚と乾燥によって張りが失われていた皮膚も、退院時には再生が進んで正常肌に近づき、皮膚炎による赤みや浮腫みも改善しています。退院時のTARCは若干上昇していますが、好酸球は4.3と基準値の7%を下回っており、お盆前のタイミングでの退院となりました。
また、同じく皮膚疾患のある息子さん(別住まい)も当院の教育入院プログラムを受け、退院後は親子二代でバイオ入浴に取り組んでいらっしゃいます。
家族が当院での入院治療で症状が改善し、その勧めを受けて入院やバイオ入浴を始めるという患者さんも珍しくありません。
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