治療の現場から
生活の変化から最重症化したアトピー患者 食事療法で減量にも成功 入院期間:2018年4月~7月:症例38
2018.09.19治療の現場から
40代女性
入院までの経緯
高校2年から顔と四肢屈曲部にアトピー性皮膚炎が生じるようになり、適宜ステロイド・プロトピック外用を使用していたが、就職、飲酒、季節の変わり目といったタイミングで悪化。
悪化時はセレスタミン(ステロイド内服)を1~2週間加えてコントロールする療法を20年間継続していた。
36歳から皮膚炎は慢性化し、体部にはベリーストロングのステロイド、顔にはマイルド(中等度)タイプのステロイド+プロトピックを毎日塗布するようになった。
2017年 結婚後に悪化。2018年妊娠し、更に急速に悪化して流産後ステロイド外用は効果がなくなり、よりいっそう悪化。
姉が重症アトピー性皮膚炎で、当院での入院治療(非ステロイド治療)で改善した事から当院への入院を選択した。
検査データの見方はこちらのページをご覧ください。
入院後の経過
入院と同時に脱ステする多くの患者さんにはリバウンドが生じますが、バイオ入浴を行っているとリバウンドは軽減される傾向にあります。
しかし、この症例では長年ステロイドによる免疫抑制療法を行っていたため、皮膚炎は入院後も一時悪化し、アトピー性皮膚炎の改善は入院後1ヶ月を過ぎてからになりました。
入院から2ヶ月経過時点でTARCは1/4に低下し、退院時には1/10に低下しました。
醗酵玄米食で13kgの減量も果たしスリムな体型に。退院後の外来診察時にも順調に改善しており、皮膚は見違えるほどきれいになっています。
入院治療で減量にも成功したその他の症例
ステロイド歴30年以上 苔癬化(たいせんか)した全身の皮膚炎が改善 :症例23
マスクが手放せない生活からメイクを楽しめるまでに改善 :症例39
このケースではステロイド療法が限界にきたところに、結婚での生活環境の変化に伴うストレスや、妊娠による免疫変化が重なり悪化していました。
一般にアトピー性皮膚炎はTARC6000以上で最重症と言われていますが、このケースでは40000を超えるTARCがものの見事に低下しています。
現代人のほとんどは幼少期の免疫形成に失敗していてアレルギー免疫が過剰になっていますが、この症例は自然免疫賦活療法の効果がどれほど優れているかがよく判ります。
バイオ入浴では免疫が自然状態に戻るため妊娠がうまくいくケースが非常に多く、今後が楽しみです。