治療の現場から
入院して脱ステ治療した患者さんの生の声「感想ノート」公開します!⑬
2024.10.16治療の現場から
当院を退院なさるアトピー患者さんが書き込んで下さった感想ノートの一部を公開します!
患者さんの入院までの背景や治療中の発見、気づきなどが書かれたこの感想ノートの内容が治療中の患者さんの参考になることも多いため、プライバシーに配慮して書き起こして院内でファイリングしています。
N・Hちゃん 8歳の女の子のお母さん 2023年入院
娘は小さい頃から肌は弱かったのですが、日常は問題なく過ごせる程度。薬も使うことはありませんでした。
小学校に入り、環境や食生活が変わったことで一気にアトピーが出るようになってしまいました。
アトピーに良いとされる自然療法、食事、保湿剤、お水など母として何もせずにいるということはできず、ありとあらゆることに手を出しました。
それでもアトピーはどんどん悪化する一方。娘はかゆみで眠れず、朝もなかなか起きられず、痛みとかゆみで毎日泣いてばかり。笑顔も減り、ついには滲出液が固まって歩けなくなるところにまでなってしまいました。
私たち両親もそんな娘を見るのが辛く、何回も涙していました。親に元気がないのは子どもにしっかり伝わるもので、今思うと我が家のメンタルは全員ズタボロで負のスパイラルに陥っているようでした。
もう限界だということで近くの病院でステロイドを処方してもらいましたが、どうしてもステロイドを娘に塗ることに抵抗があり、その薬を手にしながら最後の砦という感じでナチュラルクリニックに電話をしました。その際の親切な対応に私は救われた思いで、入院が決まった時には、とにかくほっとしたのを覚えています。
神奈川から岐阜の行ったこともないクリニックへ、子どもを連れての入院は不安だらけでしたが、実際こちらに来てからは楽しい入院生活を過ごせました。
アトピーであるということを気にせず、気持ちを他の患者さんと共有し心がとても軽くなりました。また賑やかな子どもを常に優しく見守ってくださり、皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
退院するとまた日常生活が始まりますが、高山でのゆったりとした時間の過ごし方や、心のあり方、子どもと濃厚に過ごせた時間を忘れずに、日々何かに追われるようなせわしない生き方にならないようにしていきたいです。また子どもにとっては長い人生のうちのたった1ヶ月半ですが、素晴らしい経験となったと思います。
娘にとって、アトピーは今後の人生長いに付き合いになるかもしれませんが、こちらで過ごしたことを忘れず、前向きに自分の体と向き合えるよう成長してほしいです。そして「ときには立ち止まって全てを捨てて、何もしない時間があってもいいんだよ」ということも伝えていきたいです。
久保先生、朝の瞑想は1日の始まりにぴったりで、今後も続けたいと思います。先生のお話は大変興味深く、もっとお話を聞きたかったです。入院生活が苦しくならないようなたくさんの本やDVD、行事などがの環境を与えてくださり、本当にありがとうございます 。
看護師さん、毎日様子を見に来てじっくりお話を聞いてくださり、どれだけ私が安心できたことでしょうか。優しくしてくださりありがとうございます。中川さん、院内行事を子どもにも楽しめるようなものにしてくださっていましたよね?
おかげで普段体験できないようなことがたくさんでき、入院中とは思えない充実した1ヶ月半となりました。ありがとうございます。
こちらで出会った全ての皆様に感謝いたします。ありがとうございます。
Tさん 20代 女性 2024年入院
私は幼い頃からアトピーで様々な病院を巡っていたと母から聞いていました。かかりつけ医は自分に合っていて、昨年まで通院していました。
アトピーの症状は軽く、夏には関節部に汗疹、冬には乾燥により痒くなるとかかりつけ医でステロイドと保湿剤が混ざっているものをもらい、塗ればすぐに治まる感じでした。
悪化してきたのは今から1年ほど前です。顔に赤みや熱を持つ炎症が少しずつ出始め、初めて顔にステロイドを塗りましたが症状に変化はなく、ステロイドの飲み薬をもらい治まりました。しかし、効果は一時的で定期的に飲むことになり、その間隔は徐々に短くなりました。
かかりつけ医はもう原因が分からず、中部国際医療センターへの紹介状をもらって病院を変えて検査することにしました。そこでは血液検査をして、大きな病院だし期待していました。ステロイドが合っていないと診断され、ステロイド以外の塗り薬と飲み薬をもらいました。
その数日後、顔が赤くなって汁が出てきてパニックになり病院に行くと、何でもない普通の顔で「ステロイドの離脱症状だね」と言われました。
自分的には半年くらいしかステロイドを顔に塗っていなかったので、まさかそんなことになるとは思いませんでした。そして何より不安を持ったのは医師の態度です。
こちらは初めてのことでパニックなのに、怖かったのに、少しでもその症状が出ると予想できたなら、ひとことくらい事前にあっても良かったのではないかと思いました。それからも不安や不満が募りました。使い切れないほどの量の薬を出されたこと。薬の残りも効かずに前回と同量の処方がされたこと。症状・部位を見せてもしっかり見てくれないこと。「次までに改善しなければ注射(デュピクセント)の治療に移行する」と言われたこと。
「患者にとって医師は一人だけど、医師にとってはたくさんの人の一人なんだな」と思いました。
赤くて、腫れてて、黄色の汁が止まらなくて、痛くて、痒くて、外に出たくなくて、バイトも休んだり辞めたりして、家族にすら会いたくなくって、死んでしまいたいけど死ぬのは迷惑かけるから、ふわっと消えてしまいたいと思っていました。どうにか解放されたくて見つけたのがここでした。
もう時間もお金も無駄にしたくない気持ちと、アトピー「も」見たことがあるではなく、アトピーに特化しているところに行きたいという気持ちから入院を決めました。
人生で初めての入院は自分にとってとても濃くて、大切な時間となりました。
朝昼夜の食堂でのお話し、お菓子作りの行事、カウンセリング、高山祭り、お花見、患者さんとのお出かけ、散歩、食堂でのカラオケ、ナースさんとのお話しなど、本当に毎日が私の大切な思い出です。
病院というよりシェアハウスのようで楽しい日々でした。
皆さんの存在は、3ヶ月という人生の中では短い時間での関わりでしたが、私の大切な支えでした。それは今後も変わることなく、お風呂に入りながら思い出すかと思います。
患者の皆さんと話す中で、自分だけの悩みと思っていたことがみんなと共通していたことに驚き、それとともに安心しました。
入院前はあんなに毎日泣いていましたが、入院してからアトピーで泣いたことは一度もありませんでした。皆さんがいてくれたからです。
入院前、私が離脱症状で苦しんだ期間は約2ヶ月で、他の患者さんの期間との比べると短期間です。そのため、「みんな苦しんで頑張っていたのに、私はすぐに逃げて入院した」と思っていました。しかし、すぐに入院と判断した自分を認めてあげようと考えを変えました。
入院中の3ヶ月は逃げではなく、自分にとって重要な時となったからです。その判断がなければ皆さんに会えていなかったからです。
一人の患者として寄り添ってくれたナチュラルクリニックの皆様、仲良くしてくださった患者さん方、約3ヶ月間 本当にありがとうございました。
※医療機関は、治療効果や症状の経過についての患者さんの感想はサイトに掲載出来ないため、これらの事項は本文から削除して公開しています。