治療の現場から
お味噌汁からはじめるアトピーの食事療法
2021.11.05スタッフブログ
こんにちは!ナチュラルクリニック21管理栄養士の木戸脇です。
今回は、入院治療中のアトピー患者さんに提供している「お味噌汁」についての特集記事です。
お味噌汁は和食・健康食の基本
当院で提供している献立の基本は昔ながらの和食ですが、中でもお味噌汁は日本の食文化が誇る健康食の代表格。
「病院食は冷めていて美味しくない」というイメージを持っている人も多いようですが、アトピーの食事療法にも力を入れている当院では、栄養面の管理だけでなく、患者さんの心の栄養にもなるような温かみのある食事を毎食提供するよう心掛けています。
患者さんに退院後の食事のアドバイスをする際、料理初心者には「まずはお味噌汁を作れるようになりましょう」とお話しします。
お味噌汁は具材のバリエーションも変えやすく、いろいろな具材を入れれば一品だけでも栄養満点。
アミノ酸や防腐剤を使わない本物の味噌を選び、野菜やキノコ、海藻、豆腐などを入れれば、他のおかずはシンプルなものでも日々の食事は充分です。
具材の選び方は?
具材選びは、冷蔵庫の残り物やストックしている野菜でOK。
食事療法として考えたときには、他の献立を見て足りていない栄養素を補うというような方法も賢い手段です。
例えば・・・
ボリュームを出したい=かぼちゃ、さつまいもなど
タンパク質を摂りたい=厚揚げ、豆腐など
他のメニューに足りないものを補いたい=玉ねぎ、大根、キャベツなど
食物繊維を足したい=キノコ、海藻、もち麦など
だしの選び方は?
だしは、院内では基本的に昆布だしと煮干しの粉末を使っています。
煮干の粉末は、そのまま味噌汁の具材としてまるごと栄養を摂り入れることができていいですね。
また、具材に重ね煮の野菜を使うと、特別だしを取らなくても美味しく作ることができます。
キノコを具材にする場合は水から煮ると旨味が増すのでお勧めです。
味噌の選び方は?
使う味噌は、大豆・塩・麹・(小麦)のだけで造られた「本物の味噌」を選びましょう!
当院では地元飛騨高山で造られているこの味噌を使っています。
だしや添加物、アルコールが入っている物はおすすめしません。
原材料が同じでも、地域や作り手で味噌の味は千差万別です。
味の好みも地域や育った環境によって様々なので、お気に入りの味噌を探してみましょう!
作り方のポイント
一度に作るお味噌汁の量が多いときは、最初に昆布と煮干粉、具材をヒタヒタの水で煮て、火が通ってから水を足して量を増やします。
こうすると、加熱時間が短くできるだけでなく、だしもよく出て、野菜の旨味もアップしますよ!
当院のアトピー食事療法についてはInstagramでも情報発信中です!