治療の現場から
スタッフ中川が食事療法と食餌療法について考えた
2022.02.01スタッフブログ
こんにちは!ナチュラルクリニック21で入院対応や情報発信を担当している中川です。
私は文章を書くのが好きなので、このサイトの記事や院内での配布資料などを作成することも多いのですが、今回はふと気になったある言葉について考えてみました。
当院の院長は、アトピー性皮膚炎の治療に食事療法を組み合わせることを基本方針としています。
この食事療法という言葉、実は本来は食餌療法という文字を使うのですが、一般の人には読み慣れない(使い慣れない)文字ということもあり、当院のサイトや資料でも「食事」という文字を使用しています。
「食餌療法」とネットで辞典検索すると次のようにあります。
日本国語大辞典
「食事療法」とも書く。病気の治療、回復のために食事を治療手段の一つとして積極的に活用すること。糖尿病、腎臓病、高血圧、痛風などの治療に大切。食療法。
実用日本語表現辞典
食生活の改善により病気の治療や健康改善を図るもの。「食餌療法」の「餌」が表外漢字であるため、「食事療法」の字があてられる場合がある。
「餌」というと、人間以外の動物が生命維持のために食べる「もの」という印象が強く、食餌という言葉には食べる楽しみのような意味合いは含まれていないようです。
食餌療法という言葉からは、生命維持のため(病気を良くするため)に有効な食生活を実践する。という意図が読み取れますね。
当院の入院治療食はアトピー性皮膚炎の改善を目標にメニューを組み立てていますので、食餌療法という言葉がしっくりくる面もありますが、言葉の意味を深く考えてみると、「やはり我々が提供しているのは食事療法だ」という結論に至ります。
当院では、入院中の患者さんには院内で提供する食べ物だけを召し上がって頂き、買い食いや外食はできません。
しかし、量や品を自由に楽しむことは出来ないぶん、管理栄養士や調理員が献立作りと味付けに気を配り、できたての温かい食事をゆったりとした雰囲気の食堂スペースで提供しています。
テーブルを囲んで食事をすると患者さん同士の交流も活発になり、入院生活の質的な向上が期待できるだけでなく、多くの患者さんが入院生活を振り返って「ご飯が美味しくて楽しみだった」とおっしゃるように、食べる楽しみを置き去りにしない食事療法を体験して頂けてもいるようです。
ということで、今後も食事療法という言葉で情報発信していきたいと思います。
当院のアトピー食事療法についてはInstagramでも情報発信中です!