治療の現場から

       

アトピーを悪化させずにお菓子を楽しむ方法~アトピー食事療法~

2024.11.19スタッフブログ

みなさんは【おやつ】でアトピーが悪化したと感じたことはありますか?

当院に入院なさった患者さんの中には、「入院前はお菓子を食べ過ぎていた」と話される方が少なくなく、具体的な例では、「仕事や家族間のストレスで毎日たくさんチョコレートを食べていたら悪化した」とか「妊娠中、つわりでお菓子しか食べられずにアトピーが悪化した」という患者さんなどがいらっしゃいました。

今回は、管理栄養士の木戸脇監修で、当院で行っている【おやつ】に関するアドバイスをまとめてご紹介します。

子どもと大人で異なるおやつの役割

アトピー患者さんであるかに関わらず、成長期の子ども(特に乳幼児期から小学校にあがる前くらいまで)には、一度に摂れない栄養を補うという意味でおやつは大切です。
また、それ以降のお子さんでも昼間にお腹が空くので、15時~16時頃におやつを食べるというお子さんは多いと思います。

一方で大人の間食(おやつ)は、栄養補給や「どうしてもお腹が減ってしまって・・・」ということではなく、習慣や嗜好品としてご褒美的にお菓子を食べていたり、食べることをストレスのはけ口にしてしまっているという方が多く、食べる量と質をコントロールできなくなって、結果的に肥満や体調不良を招いているケースが多いように見受けられます。

食事の間隔が極端に長くなる場合には栄養補給としての間食も必要ですが、口寂しくて食べてしまうとか、なんとなくスーパーやコンビニでおやつを買って食べているという方は、食べ物の質や量、そして習慣を見直す余地があるでしょう。

ごちそうさまボード

避けることが望ましいおやつ

●油で揚げたポテトチップス

●ショートニングが入ったクッキー

●アスパルテームやスクラルファムKなどの人工甘味料を使用した製品

●小麦粉(グルテン)が含まれるお菓子

●体質によっては卵・牛乳が含まれたお菓子

●甘い飲料水

●ドライフルーツ(の食べ過ぎ)

●ナッツ(の食べ過ぎ)

健康志向の方の中には、市販のおやつは食べず、間食はドライフルーツやナッツを選んでいるという方がいらっしゃいますが、ナッツは脂質を、ドライフルーツは酸化した油を多く含むという点で、アトピー体質の方には向いていないと考えています。

退院する患者さんへ行っているアドバイス

小腹を満たす間食としては、干し芋やおにぎり、せんべいなどの炭水化物を。甘い物が欲しいならハチミツをお湯に溶いたものや少量の果物がおすすめ。
ただし、食事も含め一日のトータルでどれだけ食べているかが大切ですから、間食も食べ過ぎはNGです。

ご褒美としてお菓子を食べているという方は、好きなものを食べる頻度と量を決めてみてください。

牛乳ではなく豆乳だからとか、白砂糖ではなくてんさい糖だからとか、ヘルシーなレシピだからと言って食べ過ぎてしまう方がいますが、素材を問わず食べ過ぎはいけません。

そして、「なんか調子が悪いなぁ」とか、アトピーが悪化しているように感じたら、好きなものを食べる回数や頻度を振り返り必要に応じて見直すなど、体の声を聞いて食べ方を調節することが大切です。

院内の調理体験イベントで作ったお菓子

白玉ぜんざい

白玉ぜんざい

クレープ

米粉のクレープ

桜餅

いずれも、たまの楽しみとして企画・提供しています。

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